店長挨拶にかえて
「誂える(あつらえる)」文化の再興を目指して
子供の頃、父親はスーツを近所の洋服屋で仕立てて貰っていました。母親は八百屋・肉屋・魚屋・豆腐屋のおっちゃんたちと会話をしながら日々の食卓の材料を買っていました。「ちょっと太ったから夏物のスーツをつくってもらおうか」「どんなデザインにします?」「今日入った新鮮な魚はどれ」…モノを提供する側と買う側に対話がありました。
売り手(作り手)と買い手の距離がとても近かったのです。売り手や作り手の側には、買う人=それを使う人の日常生活がよく見えていました。その日常を少しでも豊にする手助けをしているという自覚と自負がありました。「売る」というよりも「誂える(あつらえる)」という言葉がぴったりときます。
財布やカバンは日常生活に欠かせないモノです。直接使い手の好みや要望を聞いてモノをつくるということが「商売」としては非常に難しくなっている今でも、たくさんの作り手が使い手の気持ちに思いをはせながら日々素晴らしい財布やカバンを製造しています。
ARuzが伝えたいのはそんな作り手のおもいです。「この財布はこんなふうに使ってもらえれば、こんな人に使ってもらえれば、きっとその人の生活を楽しいものにするだろう」そいう作り手の気持ちをモノ=商品に乗せて届けたいと思っています。
私は今、父が子供頃スーツを仕立ててもらっていた洋服屋の主人の気分です。母がよく買い物をした魚やのおっちゃんの気分です。私たちは作り手ではありませんが、作り手の気持ちを使い手に伝え、使い手の要望を作り手に伝える、その橋渡しの役割を担いたいと思っています。
ご利用いただいたお客様から学んだこと
当店をご利用いただいたお客様の購入動機で特に多いのが女性から男性へのプレゼントです。「主人にいい鞄を持たせたい」「彼氏をもっとすてきな男性にしたい」という思いにできる限りお応えできればと思っています。
仕入れの仕事をしているとき、大人の男性にふさわしいメンズの財布、鞄、名刺入れ、コインケース、キーケースとは、ということが常に頭にあります。
素材、本革の質、高級感、存在感、デザインの大人らしさ、一口にメンズといってもその善し悪しの基準は様々。ブランドものから知名度のない無名のものまで、商品を見るたびに「これはどんな男性に似合うだろうか」「大人の雰囲気ってどういうものだろうか」、様々なことを考えています。
メンズの財布、鞄を彼氏、パートナーにプレゼントしたいという女性の方、メールやお問い合わせで気軽にご相談ください。サンプル品の貸し出しも行っておりますので、遠慮なくお申し付けください。少しでも力になれればと思っております。