素材やこだわりで選ぶということ
いろんな販売店を見ていると、財布を選ぶ一番の基準として長財布か短財布かということがあるようです。「あなたは長財布派? それとも二つ折り財布派?」という問いかけもよくなされています。そして正解はありません。
財布という日常使うモノの良し悪しやメリット・デメリットは、使う人の生活スタイルによって大きく変わります。毎日スーツで仕事の人の使いやすさと、カジュアルな服装が多い人の使いやすさは自ずと異なります。ポケットに財布を入れる方が落ち着く人もいれば、カバンに入れる方がという人もいて、それによっても財布の使い勝手は変わってきます。
しかし、財布を選ぶ基準はそれだけではありません。財布に限らずモノの良し悪しが、もっと曖昧なその人自身の価値観によって左右されることがあります。
「なんとなくいい」「よくわからないけどすごく気に入っている」、この感覚はどこから生まれるのでしょうか。当店の考えた答えはこうです、それは作り手のこだわりから生まれる。
当店でおすすめしている財布の場合、作り手のこだわりは使っている素材、製法、デザインに凝縮されています。「いいよねぇ、この財布、理由はうまく説明できないけど」、作り手にとってそれが最高の誉め言葉なのではないでしょうか。職人は使い手からこの台詞をもらうしかけを素材や製法やデザインの中に埋め込むのです。
一度そういう作り手の思いを想像しながら財布を選んでみてはいかがでしょうか。